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理科教育講座における講義紹介 (物理)

 

物理学は、自然科学における最も基礎的な学問です。
それゆえ、物理学の修得によって他の学問もより深く理解できるようになります。
以上の理由から、理科専修の全員の学生が物理学をしっかりと学習する必要があると言えます。
しかし、毎年、理科専修に入学する学生の約半数が、高校で物理IIや数学IIIなどを
未履修としており、物理学に苦手意識を持ったまま卒業して理科教員になる学生が
非常に数多いというのが現状です。これが、理科嫌いの子供が増えている一つの遠因となっています。
この悪循環を断ち切る唯一の方法は、学生が物理学の学習から逃げずに、正面から立ち向かっていくこと以外にはありません。
 
学問分野によっては、何よりもまず、「いろいろな事を知っている」、ということが
要求されたりしますが、物理学においては、何よりもまず、「理解している」ということが求められます。
物理学においては、理解を伴わない知識はそれがいくらあろうとも何の役にも立ちません。
数は少なくとも、基礎的な事項を着実に理解しているということの方がはるかに重要なのです。
 
以上のような理科専修学生の実情、および、物理学という学問分野の性質を踏まえて、
本講座では、理科教員・会社員・大学院進学などいずれの進路を歩むにしても最低限学習しておくべきと
考えられる基本科目に絞って物理学の講義を行なっています。
時間的なバランスにも細心の注意を払われたカリキュラムは、以下の通りになっています。
 
なお、物理学のより専門的な科目(流体力学、固体物理学、相対性理論など)については、
実験物理学研究室または理論物理学研究室における34年次のゼミや卒研で学習することができます。
それゆえ、物理学の学習に強い意欲を持つ学生の期待にも十分に応えられるシステムになっています。
 
 
1年: 基礎物理学(力学)、電磁気学、物理学実験I
2,3年: 熱・統計物理学、量子物理学、物理学実験II
 
 
・基礎物理学
物理の最も基本である力学を学びます。運動やエネルギー、仕事の概念は、他の全ての物理系科目で
要求されるので、本講義でしっかりと身につけなければなりません。
また、偏微分やベクトル解析等の物理を学ぶ上で必要最少限の数学についても学習します。
 
・電磁気学
目には見えない電気や磁気の性質について学習します。
電気と磁気に関する現象の全てが、マクスウェル方程式と呼ばれる四つ組みの式で
説明されることを理解するのが本講義の目標です。
 
・熱・統計物理学
物質の性質を知る上で、物質を構成している原子・分子などの粒子の運動を一つ一つ吟味することは
現実的ではありません。
それらの粒子全体を巨視的に取り扱うことで、物質の性質を簡単に知ることができます。
例えば、高校でも学習する気体の状態方程式が一つのいい例です。
このように巨視的な取り扱いをする学問である熱学と統計力学について学習します。
本講義は化学の基本科目でもあります。
 
・量子物理学
原子・分子などミクロな世界で成立している法則について学びます。
なぜ水素原子は安定でいられるのか?なぜ元素の周期表に規則性があるのか?ということを理解するのが
本講義の目標です。これらは量子化学における基礎的事項でもあり、本講義は化学の基本科目でもあります。
 
・物理学実験I (実験風景の写真は)
力学や電磁気学で学んだ基本法則が現実の世界にどのように現れているのかを実験を通して学びます。
実験を行なえば何らかの結果は得られます。
その結果がどういう意味を持っているのかということをしっかりと考察することが重要です。
 
・物理学実験II
物理学実験Iでは扱いきれなかった他の様々な実験を行ない、実験技術の向上に磨きをかけていきます。

 

 

 

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